なぜ『カンテク』は心に響かなかったのか──感動を生まなかった“美しさ”の裏側

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何とか完走したいと粘りましたが、久しぶりに離脱してしまったドラマ『カンテク』。

脚本の詰めが甘いと言えばそれまでですが…
本来は民を顧みなければならない立場の王は、初恋の女性にしか関心がない。王としてはあまりに未熟。
3人の王妃候補たちの動機も薄い(家門の権力維持のため、初恋の人の伴侶になりたい、家族の復讐を果たしたい)。
革命を起こそうとする者たちも、結局は権力欲と私欲…と、

『カンテク』の登場人物は、あまりに 自分だけのまま完結してしまっているように感じてしまい、信念や深みが感じられず、私には刺さりませんでした。
突き進む理由も、愛する理由も、守る理由も…すべてが自己のために完結していて、他者との心の交わりや共感、犠牲や成長といった人間ドラマの奥行きがほとんど見えてこなかったのです。

例えば、『カンテク』と同じように家門のために尽くすという立場でも、
『華政(ファジョン)』のカン・ジュソンや『オクニョ 運命の女(ひと)』の鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)は、
そこに矛盾や苦悩、愛と誇り、そして人としての葛藤が描かれていて、彼らは家門の裏で自分を犠牲にしながら家族や子孫を想っているという人物が立体的でした。

ですがカンテクでは、そうした深みが見えてこない。その動機や心情が浅く、人間らしい矛盾や揺れがなく、ただの駆け引きで構成されていた印象が強いのです。

また、恋愛がメインになる時代劇でも、『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』『信義‑シンイ‑』のように、
献身的な愛/運命/宿命/誇り/生と死がテーマになっているものは胸を打ちますが、
カンテクではその深さが感じられず、恋愛が軽く、登場人物の感情が深く掘り下げられないまま進んでしまう。

そして──時代背景を無視した派手すぎる衣装も気になりました。
見た目の華やかさとは裏腹に、物語の芯が感じられず、派手な衣装に薄い中身という印象を拭えません。
(派手な衣装=中身の薄いドラマというのは偏見ですが、案の定…でした…(^-^;)
側室なのに、王妃のような派手なかんざし…などいちいち気になってしまうのです…(^-^;

華やかだけれど、心は動かない──人間の深みや温度を感じることができない。
それが、私にとっての『カンテク』でした。

『冬のソナタ』も刺さらなかった──

また、今さらながら、2年前に『冬ソナ』を視聴しました。
かつて社会現象を巻き起こした名作という期待を胸に見始めたのですが――最後まで心が動かないまま最終話を迎えてしまいました。

「いつ面白くなるのだろう」「次こそ感動できるはず」と思いながらも、結局何も残らなかったのです。

当時は単に現代ドラマが苦手だからだと片付けましたが、今になってようやくその理由が分かりました。

――登場人物たちの愛が、あまりにも自己中心的だったのです。
自分の想いだけを優先し、相手の痛みや幸せを顧みない。
その関係性には、深い絆や信念、成長といった「人を感動させる要素」が欠けていました。

視聴者は、チュンサンの交通事故や失明といった悲劇的な展開に同情することで、感動したと錯覚してしまう。
しかしそれは、登場人物の心の成熟や愛に共鳴した結果ではなく、出来事への同情に過ぎないのだと思います。

理想のために身を粉にし信念を貫く様、他者への揺るがない愛――心の深さに共鳴できる物語。
そんな心の温度を感じる物語こそが、時間が経っても静かに心に残り続けるのかもしれません。


まとめ

なぜ『カンテク』は心に響かなかったのか

  • 登場人物が「自己だけ」で完結してしまっている
  • 恋愛や愛情の描き方に“深み”が感じられない
  • 映像・衣装は華やかでも、物語の芯が感じられない
  • 見ていて「薄っぺらい」と感じてしまった
  • 深い愛信念友情成長魂の震えを描いたドラマが見たい

かなり辛口になってしまいましたが、今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました☆

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