29話
チェ・ドリはソリンの侍女に会い、ソリンへの手紙を渡します。
ボンサムの演説が始まります。「俺は接長になりたいわけではありません。沢山の税を払い、重い荷を担ぎ、自分の手元には米3俵ほどしか残らない。納めた税が王様の元にきちんと届いているのか、行商人達の為に使われているのか、はっきりさせるためにここに立っています。この世は3つのものが清らかなら民が皆幸せになれると言います。それは、金の流れ、水、我々自身の心の在り方。チョン・ボンサムは、金の流れ、水の流れ、人の心を清らかにし、皆さんの悩み、自分自身の悩みを吹き飛ばします」
ボンサムの演説は成功し拍手喝采です。ソンドルはシン・ソクチュやソゲの前で、彼らの居たいところを付いたボンサムの身を案じます。宣恵庁長官のミン氏はボンサムの味方のようです。
ソリンがボンサムからの手紙を読んでいます。チェ・ドリがソリンの侍女の手紙を渡していたのを見たシン・ソクチュの腹心からソクチュにそのことが伝わり、ソクチュはソリンの部屋に行き手紙を読んでしまいます。手紙は子供の父親について問う内容でした。ソクチュはソリンに手紙の返事を書かせます。「父親は旦那様だ」と。シン・ソクチュはソゲを呼び出し、ボンサムを殺せと命じます。
黄客主が選挙応援にボンサムを訪ねます。黄客主と一緒にきたチャン客主が「ソゲが金をばらまいたので、ボンサム側の人間がソゲに寝返っている」と言います。金を配るのは選挙違反です。
ボンサムが選挙活動に行く途中ソゲに会います。ボンサムに同行していたマンチはソゲに「こいつは以前、馬房の手形を盗んだ」と言います。マンチは下半身を切られたことを馬鹿にされ、ボンサムの使い達と辛家の使い達で喧嘩になります。騒動の中、ソンドルはソゲが賄賂を渡そうと運んでいたのを見つけます。証拠を保存しようとしたソンドルは頭を後ろから殴られ失明の危機に陥ります。
ごたごたの中、選挙当日になり、ボンサムは最後の演説をします。「最後の演説である今日は、俺の名前の由来をお話します。ボンは奉る、サムは数字の3です。3つを奉れという意味で開城商人だった父が名付けました。開城商人には守るべき3つの基本があります。“永通(ヨントン)” “存信(チョンシン)” “行遜(ヘンソン)” 永通とは、物流を絶やさず商人として新しい販路を開拓すること。存信は、取引において信用を第一にすること。行遜は、物を買ってくださるお客様には謙虚に真心で接すること。この3つも守れ、そういう意味でボンサムと名付けられました。最も大切なのは基本です。任房の基本が守られれば、任房は本来の役割を果たすはずです。任房が役割を果たせば、我々は貧しさと飢えから抜け出すことができます。将来への不安から抜け出しましょう。チョン・ボンサムはその実現に命を懸けます」
最期の演説を大成功に終わります。
投票結果は、ソゲが112票、
ボンサムが233票、ボンサムが接長に選ばれました。勝利を祝うボンサム達のところに役人がやってきて、牛の闇処分と牛皮密売の疑いがあると投書があったと馬房を調べます。牛皮が見つかりボンサムは捕まります。