大王世宗 36話 ネタバレと感想

大王世宗

世子「相変わらず身の程知らずだな」「道を空けろ、逆徒になるぞ」

忠寧「お断りします」

世子「死にたいのか」

忠寧「どうぞ刀を。私は世子様と戦う気も勝つ自信もありません。ですから私をどかせたければ、刀を抜き胸を突くことです。一つだけ申し上げます。世子として逆徒を斬るのではなく、あくまで兄として逆らう弟を殺すのです。なぜなら逆徒は世子様だからです。世子様は朝鮮の逆徒です」

世子が刀を抜いたため、カン・サンインも刀を抜き世子の刀を止めます。

「逆徒を捕らえろ」世子の軍が刀を抜きますが、忠寧大君は、自分に味方する者たちに刀を抜かないよう命じます。

そこにユン・フェが民を連れて現れます。「逆徒ですと?では先にこの者たちをお斬りください」

忠寧「民を連れて来ないようあれほど頼んだのに…」

日頃から村人を守ってくれているチェ・ユンドクらに刀や槍を向ける集団を見て、村人たちは動揺を隠せません。

タミ(村の子ども)「あのおじさんたちは誰?怖い人たちなの?」

忠寧「いいや、そんなことはない」忠寧大君はカン・サンインに刀を下ろすよう言い、子どもを抱きながら、中央軍の中へ進んでいきます。

「怖がらなくていい。よく見なさい。お前のお父さんと同じ服を着ているだろう」

「本当だ。同じ服だね。じゃあお父ちゃんの友達?」

「お父さんとも私とも仲がいい。皆友達だよ」

「だから太っちょのおじさんが挨拶しなさいと言ったの?」

忠寧大君がユン・フェの方を見ると、ユン・フェは微笑み、頷きます。

忠寧「そうだよ、だからお前が一番最初におじさんたちに挨拶しなさい」

忠寧大君は中央軍に話しかけます。「その槍は何のために使うのだ。今、無謀な出兵をするというなら、まず鏡城(キョンソン)の民を斬らねばならぬ。どうするかはお前たちの選択に任せる。その槍を同胞の命を奪う凶器として使うか、民を守る武器として使うか、お前たちが選ぶのだ」

タミは忠寧大君の手を放し、中央軍の中を更に進み、一人の兵に手に持っていた花を渡します。兵は槍を捨て、タミを抱きます。「何歳だ?」「7歳」「俺の娘と同い年だ」

ク・ジョンムは怒ります。「何の真似だ!」

「朝鮮の民に槍を向けることはできません」

そう言うと、兵たちは次々と槍を捨てます。子どもたちは兵のおじさんの元に走ります。

ファン・ヒ「今度は世子様が刀をお捨てください」

世子が刀を捨てたので、民と忠寧大君側の人間は歓喜を上げます。

「勝ったと思うなよ。戦いはこれからだ」

「都でお会いしましょう、世子様」

世子軍は鏡城を後にします。

忠寧大君も都に帰ることにします。「手柄を立てての帰郷です。兵を率いて堂々と凱旋を。我々がお供致します」

「私を助けたいと思うなら、ここに残り節制使に力添えを」

皆、忠寧大君の助言を受け入れます。

忠寧大君はチェ・ユンドク節制使に話しかけます。「ここに骨を埋めると約束したが、守れなくなってしまいました」

「生涯朝鮮の守り人となられるならば、お許ししましょう。辛い道のりですよ」

「世の中より己を恐れよという言葉、忘れぬぞ」忠寧大君は皆に頭を軽く下げ、去って行きます。

「私にとってもユン応教(ウンギョ)にとっても退路はなくなったようです」

「怖いのですか」

「私の刀になってくれますか。私を守るために世間と戦う刀ではなく、私の過ちを正す刀に。私が傲慢や独善、我欲にとらわれ誤った決断をした時、私を諫める刀になってください」

「怖い言葉で私の逃げ道をふさぐのですね」

「約束してくだされば私は恐れを捨て勇気を出せる気がします。応教と、都で私を待つ者たちに甘言をささやかれたくないのです。皆が私を斬る刀になってくれるという信頼、その信頼があれば戻って戦いを始められます」

「はい、そうします。王子様のそのお心が私にもまた刀となるでしょう」

重臣たちが王宮の門の前で世子の帰りを待っています。しかし、それを見た世子は門まで来たのに、一人で引き返してしまいます。ファン・ヒや内官が止めても聞きません。歓声を上げる民に迎えられるはずが、自分を喜んで迎える民も重臣もいませんでした。

メン・サソン「長子を立てて、王室の正統性を守る?」

キム・ジョンソ「話にもなりませんな。王室の正統性どころか国の正統性まで消えそうだ」

チョ・マルセン「言葉が過ぎるぞ」

イ・ス「世子の蛮行よりはよいでしょう」

シム・オン「そなたまで何を言う」

チョ・インジ「王様の命令に逆らい、兵を動かしたのです。直ちに駆け戻りひれ伏して詫びる、それが最低限の礼儀です」

司諌院(サガンウォン)、司憲府(サホンブ)、礼曹から大量の上奏文が届きます。

世子が戻り、王の部屋を訪ねます。

「これが何かわかるか」

「取るに足らぬ薪でしょう。傲慢な臣下の誹謗を恐れるとは父上も弱くなりましたね」「ご立派な弟が邪魔しなければ父上の国の領土を京畿道(キョンギド)ほど広げられました」「軍権もくださればよかったのです。そうすれば臣下に煩わされずに済んだ」

「それ以上口を開けば、その時は私の手でお前を斬りたくなるかもしれぬ」

「お斬りになればよいでしょう」

「出ていけ!私の前から消えろ!」

王后も世子に「王に許しを請え、これ以上逆らうな、折れることを学べ」と助言しますが、世子は「自分で決める、私が世子の座を失うことは決してない」と全く反省していません。

世子による政務代行はまだ続けると王が言うので、翌日、家臣たちはそろって朝廷を欠席します。登庁したのはファン・ヒだけでした。

朝廷を欠席した重臣たちは王の元に行きます。「上奏に対する批答(ピダプ。王が上奏文に書く可否の答え)をお出しください」

「どのように書けばよい?」

憤る王に、領議政が声を上げます。「私の首を捧げましょうか?世子様の廃位を進言すれば私の命を奪いますか?『賢者を選ぶ』過ちを省みぬ者に王座に就く資格はありません。従って、長子を捨て、賢者をお選びください。それがこの国を守る唯一の道です」

「では賢者とは誰だ。王子たちの中で誰が賢者だと思う?」

「賢者は忠寧大君です」

王后は反対します。

王座を狙う孝嬪に、敬寧君は「やっとこの国がまともになりそうだ」と笑顔です。

孝寧大君も、王座に欲を出します。

都に戻った忠寧大君は家族と再会します。

王后は戻ったばかりの忠寧大君に、再び遠地に行けと言います。

忠寧大君は王に会いに行きます。「世間はお前が賢者だと言う。もし私が長子を捨て、賢者を世継ぎとして立てると言えばお前は受け入れるか?」

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