大王世宗 7話、8話 ネタバレと感想

7話

太宗「褒美を与えるべきか、罰を与えるべきか。敵を倒したことは褒めよう。しかし、世子が戦場にでることは重罰に値する」

世子「右軍総制や将兵達には褒美をください。私には罰をお与えください。軍器官(グンギカム。武器製造を担当する官庁)の官奴にしてください。官奴となり自ら大砲を作ります。強力な大砲を用意していたら敵を逃がさずに済んだはずです。全滅させられず撤退の隙を与えたことは国の不名誉です。世子としてそのような不名誉には甘んじません」

忠寧大君が国を想って動くことは許されず(忠寧大君が政治に興味を示したために、内官と叔父二人が亡くなりました)世子は王からの許しを得ました。忠寧大君は自由に振る舞うことを許される世子を羨みます。

パク・ウン吏曹判書はミン・ムヒュルが今回の活躍により昇進し、弟のムフェも世子の右腕になるだろうと復讐申を抱くミン家の者が重用されることを心配します。

「ムヒュルは中軍将になるだろう、ムフェは敬承府(キョンスンフ。世子を補佐する官庁)の尹になるだろう。ミン家のために、そなたを知申事(王の秘密秘書。後の都承旨)にしたのではない」パク・ウンはミン・ムヒュルが今回の活躍により昇進し、弟のムフェも世子の右腕になるだろうと復讐申を抱くミン家の者が重用されることを心配します。

チョ・マルセン知申事は「家門の事情よりも能力のあるものを採用して国の基盤を固めるべきだ」と反対します。

イ・スクボン兵曹判書、イ・ジョンムも、今回の人事が気に入らないようです。

王后も弟たちに昇進を断るよう説得します。今、昇進すると国のためではなくミン家のために戦ったと思われて王に目をつけられるかもしれません。

世子の戦勝を祝う宴にユン・フェの姿がありました。重臣たちに追い出されたユン・フェは「戦勝とは笑わせる」「勝ちの体裁だけ整えておいていい気なものだ」と言い残し出て行きました。それを聞いた忠寧大君は「どういう意味だ」と聞きますが、ユン・フェは「現地にいけばわかる」とだけ言います。

忠寧大君は芸文館の大提学シム・オンに「応教(ウンギョ。歴史編纂をする官職)だったユン・フェとは何者か」と聞くと「高麗王朝の徐ヒ(ソヒ)と同じくらい優秀だが、素行に問題があって、人を簡単には切りすてないファン判書がクビにした」と言います。

ユン・フェの言葉を聞いたファン・ヒは金浦を調査し、忠寧大君もまた金浦に行きます。戦の処理は戸曹と兵曹の担当であるのに、礼曹のファン・ヒが調査することを領議政は嫌がります。

忠寧大君が金浦へ行くと、倭寇が荒らした租税倉庫を補填するために、兵士たちが商団の倉から穀物を奪っていました。世子の初出陣に泥を塗らないため、何も盗まれていない、被害はない、と見せようとしていたのです。世子の功績のために民が犠牲になりました。民の為に何もすることのできない自分に苛立ち、仕方なく酒を煽ります。それを見たイ・スは「民を想う気持ちはどこへ行ったのですか。正しいと思うなら道を探せばいい。まずは嫉妬心を捨てなければ、民は見えない。王子さまは自分自身を不幸に思っているだけだ。認められたいという欲を捨てない限り道は見えません」と叱ります。

酔って帰って来た忠寧大君に后は「子どもができた」と伝えます。忠寧大君は「自分と同じ境遇の子どもが生まれる…」と喜ぶことなく、思い悩んでしまいます。

ダヨンが漢陽に行き、母のために明国から輸入した薬を買って帰宅すると、母は亡くなっていました… 母は読経で送ってほしいと娘に話していましたが、国では抑仏政策を取っており、両班であり権力を失いたくない父は僧侶を呼びません。

忠寧大君は、世子の軍事訓練所に行き「過ちを正したい」と世子に言います。

8話

康寧浦(カンニョンポ)の略奪には倭国の間者が関わっていると考えた忠寧大君は、倭国の間者を探し機密漏洩を防ごうと世子に進言しますが、世子は大砲訓練をし兵を強くすることを優先します。

火薬の知識に長け、国一番の武器製造技術を持つチェ・ムソンの息子、チェ・ヘサンが大砲訓練の日に姿を消します。火薬を作れるのはチェ・ヘサンだけなので、彼がいなければ大砲訓練はできません。

ヘサンは倭国の間者に捕まっており、日本に行き、日本の為に彼の技術を使ってほしいと言われます。

重臣たちの間では、外国人の出入国管理を強化するかどうかで揉めます。外国人に出入国のために人員を割けば都の警備が疎かになり、それぞれの派閥同士譲りません。

忠寧大君はユン・フェに会い「日本人が欲しがる情報は何だと思うか?」と聞きます。

「日本の状況もわからないので断定するのは難しいが、一般的に考えると、軍事情報だろう」

それを聞いた忠寧大君はチェ・ヘサンが倭国の間者にさらわれたのだと考えます。少監に就いて以来、一度も欠勤したことがないヘサンがこのタイミングで行方不明になるなんて間違いないと忠寧大君は世子と叔父に訴えますが、憶測で兵を動かすわけにはいかない、手がかりを探せと言われます。

チェ・ヘサンが誘拐されたという情報はオク・ファンの元にも届きます。高麗王朝復興を目指すオク・ファンにとってもチェ・ヘサンは欲しい人材です。朝鮮政府よりも先に見つけ出し、高麗に忠誠を誓わせるとしてオク・ファンの手下は必死に探します。

母の死を悲しむダヨンのために使用人のヨンシルは花火を作り、奥様の死を悼みます。ダヨンとヨンシルは恋人関係のようです…

忠寧大君は、ユン・フェの証言をもとに作った人相書きの男が官服を急いで仕立てて欲しいと針子に頼んだという証言を得、倭国の間者が役人のふりをしてヘサンに近づいたという証拠を得られました。世子はヘサンを救出するために兵を動かし、世子、忠寧大君はヘサンを取り戻し、間者を捕らえます。

忠寧大君が“火薬情報の載った書物を餌にヘサンは間者を連れて家に戻るだろう。家に戻れば、国の者が助けてくれるだろう”と予測しヘサンを救ったことに、オク・ファンは警戒します。倒すべき朝鮮の大君がこれ程に優秀だとは…

ヘサンの持つ火薬情報を奪って国の所有にするという世子に忠寧大君は「真心で察しなければ、火薬情報どころかヘサンも失うことになる」と進言し、また、誘拐されていたヘサンを見舞います。

忠寧大君は師匠の前で「生まれてくる子供のためにささやかな慰めになるような生き方をしたい。“たとえ影として生きても、抱いた大きな夢を諦めてはならぬ。それこそが人間らしい生き方だと”息子を慰めてやりたい」と話します。

大王世宗 5話、6話 ネタバレと感想

5話

剣を振り上げた世子は、弟ではなく叔父ミン・ムグに剣を向けました。

叔父を守ろうと真実を明かさない忠寧大君の為に、イ・スが、昨夜、ファン・ヒに真実を告げ、世子も知る事となったのでした。世子もまた権力の重みを知ります。

王后は、世子が弟の件を王に話したことに怒ります。

「なぜ父上より先に母に知らせなかったのですか」

「それでは新たな陰謀が生まれます。母上も巻き込ます」

王は忠寧大君に「世間や政治に関心を持つな、叔父たちはお前のせいで死ぬのだ、国に混乱を招く者は誰であれ王の敵だ」と改めて忠告します。

叔父を告発したことでイ・スを責める忠寧大君に、イ・スは「何があろうと不正とは戦うべき、感情に流されては正しい政治ができない。情に流されて命を差し出すようでは、朝廷から見放された民のための政治などできない」と教えます。

王后はパクに近づき「世子の右腕になる方だから健康に気を付けて」と言い弓の道具を送り、弟の命を救うよう説得します。「賄賂の罪で財産を国庫に納めるだけに留めてください、建国の忠臣です、これからも国に尽くします」と。王后を見舞うよう内官に助言された王は、王后がパクに会っていたことを知ってしまいます。

しかし、こんなことで惑わされるパク氏ではありません。先日、王殿で起こった殺人事件の罪もミン氏に着せ、ミン兄弟を尋問します。

忠寧大君は世子に会い「誰も告発しなかったら世子様は私を殺していましたか?信じていたなら、なぜ正殿の前に座らせたのですか?」「父上とは違う、怖いだけではなく、時には兄や友人のような王にはなれませんか」と聞きます。泣いている忠寧大君に世子は何もしてやれません。

ミン兄弟は自白し、流刑地に送られることになりました。流刑地に送られる叔父たちに世子は、水を与えます。ミン・ムグは「我々でなく忠寧を選んだことにいつか後悔しますよ。世継ぎでない王子は政治に関心を持った瞬間から世子様を脅かす存在です、覚えておきなさい」そう言い残し去って行きました。

時が流れ、忠寧大君も大人になります。

6話

ミン兄弟の処刑から15年が経ちました。

ユン・フェが倭国の間者ピョン・ドジョンに情報を売ろうとしているところを忠寧大君、オク・ファンが目撃します。オク・ファンは語学に長けたユン・フェを自分たちの仲間に引き入れたいと考えています。

世子は上王の側室である楚宮粧(チョグンジャン)に気があるようです。

上王の屋敷・仁徳宮に王族が集まり盛大な宴が開かれます。宴の最中、王宮から50里程しか離れていない康寧浦(カンニョンポ 京畿道 金浦)が倭寇の襲撃を受けます。王はミン・ムヒュル(ミン・ムグの弟)を将軍に任命し精鋭部隊を投入。世子の単身で現場に乗り込みます。ムヒュルの兄二人は世子の証言により極刑に処されました。騒動に紛れて復讐のチャンスですが…王后の「静かに生きる道を探せ。忠誠心を示せ。失った名誉を取り戻し権力を握るのが先だ。復讐はそのあとでも遅くない」という言葉を思い出し、共に倭寇討伐します。都を救ったと民の歓迎を受け意気揚々と宮殿に戻る世子でしたが、王は世子が兵士の真似事をしたと腹を立てます。

感想

太宗の庶子、敬寧君と世子の確執も気になります。

ダヨン役で『イニョプの道』のイニョプ役を演じたチョン・ユミさんが出演していました。

ミン・ムヒュル役は『ソドンヨ』で、チャンの協力者である豪商ヨン大将を演じたキム・ヒョンイルさんです。

大王世宗 3話、4話 ネタバレと感想

3話

王に呼ばれた忠寧大君は、見聞の結果を聞かれ「民は父上を暴君と言っていた。その汚名を晴らす方法を探したい」「町で撒かれていた文書と苦しんでいた民の名を記してきた」と答え文書を提出します。

忠寧大君の母は、しきたりを破り外出したこと、国事を乱したことを厳しく𠮟ります。

忠寧大君が政治に関わりを持ったことが宮廷内では大問題になります。また、忠寧大君が助けようとした商人たちは、王を侮辱した罪で拷問を受けます。建国してまだ間もなく反乱分子が誹謗中傷を言う民を利用するかもしれない、国の秩序を守るためにしたという父の考えを忠寧大君は受け入れることができません。

王は忠寧大君の行動一つで国が傾くことがあると厳しく教え、大君と同行した内官を大君の代わりに死ぬまで拷問します。忠寧大君は内官の死の責任から逃れようとします。

宮廷では、忠寧大君を遠地付処(ウォンジブチョ。都から離れた所へ送る刑罰)に処すべきだと上奏が上がります。王は、内官を刑に処し、大君の名誉を奪っただけで十分だと考えますが、重臣たちは引き下がりません。

内官の死を「自分のせいではない」と受け入れない忠寧大君は、イ・スに内官の死はお前のせいだ、政治や世の中に興味を持つなと諭され、ようやく現実を受け入れ始めます。

「先生、世の中には、書物に書かれているような善良な民はいませんでした。恥を知らず、欲が深くて、心の狭い者ばかり。でも、あの者たちを嫌うことができません。私とそっくりだから。愚かさが似ているから。一度だけでいいから父上に褒められたかった。“政治は学者の義務だ” “世を知り民を守りたい” そう言ったのも、申聞鼓を叩いたのも、父上の関心を引きたかったからです。本心ではなかった。あの民も同じ気がします。私と同じです。一度も褒められたことがなく、関心を持たれたこともないのでしょう。だからあのような…そう思うと憎めないのです。でも、二度と彼らに関心を向けてはいけないのですね。さもなくばまた誰かを失ってしまう」

師匠は、大君の苦しみを理解し、成長を見守ると誓います。

4話

世の中に興味を持ち、更に帝王学を学びたいと言ったことで王位を狙っていると勘違いされた忠寧大君を守るため、王は世子に譲位をすると言い出しますが、世子は「忠寧大君のためだろうと、家臣への腹いせだろうと、仕方なく与える王位なら断る」と王に伝えます。

王后も世子にはまだ早いと、外戚として権力を握ろうとする叔父たちを諫めます。

朝廷では、現王派と世子派で争いが始まります。

そんな中、ミン・ムグは忠寧大君の筆跡に真似て世子を誹謗する怪文書を作り、街中に貼ります。怪文書を書いたオム・ジャチは口封じのために襲われ、忠寧大君の屋敷に逃げ込み「一刻も早く王宮に行き、真相を明らかにしてください」と大君に言います。

オク・ファンは商人を装いミン・ムグに近づき賄賂を渡します。

「パクに捕らわれたキムとカンの代わりに、私がミン様の倉を満たします」

「国に仕えたいのです。ミン様は次期国王を支えられる方、私が捧げる物は国の為に使われます」

忠寧大君は真相を明らかにすると叔父たちが罰せられると心配します。

忠寧大君は怪文書について王、世子、重臣の前で問われます。王に処罰を任せると言われた世子は「死をもって償わせる。王座を冒涜し、王室の名誉を汚した」と答えます。それを聞いた王は世子に剣を渡します。「お前の手で斬り、王室の威厳を示せ」

世子は剣を受け取り、弟に近づきます…

大王世宗 1話、2話 ネタバレと感想

大王世宗(テワンセジョン)の1話、2話のネタバレと感想です。

1話「汝、王材を守れるか」

朝鮮第3代王・太宗(テジョン)と明の使者による、世子の明への婿入りについての会談を控えた王宮で、内禁衛従事官(ネグミ チョンサグァン) キム・ビョンの首吊り〇体が発見されます。

従事官は非番であったため、何者かが〇体を持ち込んで吊るしたと思われます。

死体の背中には蝋で「汝守王材乎(汝、王材を守れるか)」と書かれていました。

これは以前、元で使われた暗号の残し方でした。殺人には明が関与しているのかもしれません。

重臣たちは世子の身を案じますが世子は外で弓の稽古をしています。

代わりに、王の三男・忠寧大君(チュンニョンテグン)が行方不明です。犯人は忠寧大君が王材だと思っているのでしょうか。

王子が行方不明ですが、王は厳戒令を出さず、王子の安全よりも会談を優先すると言います。

世子は父親のこの決定に憤ります。

忠寧大君の妃・シム氏は、父親に忠寧大君の置き手紙を渡します。手紙には「今夜必ず会わねばならぬ人がいる」とありました。

世間と接点の少ない大君が会う人物は、大君たちの師であるイ・スしかいないと思い、シム氏はイ・スに会いに行きます。

イ・スは「王に王座を捨てるよう、朝鮮という国名も捨てるよう忠告しろ」と言います。また「真実ではない例の文言に関わりたくない」「忠寧大君は王材ではない。王になれる器ではない」と言います。

2話「建国の刀」

大君誘拐に関わっているとして拘束されていたイ・スは「忠寧大君は王の素質がない。うぬぼれが強く、口ばかり達者だ」と言います。

誘拐された忠寧大君はオク・ファンに助けられました。商人を名乗るオク・ファンは、実は、高麗皇族で高麗復興勢力の首長でした。

「大君の命を奪い、王宮の柱に吊るすべきだ」というオク・ファンの護衛のムビに、「あの子は王材になるだろう。王の器に育て上げる。兄に食いつき、父の胸に杭を打ち込む、最後には朝鮮王朝を血なまぐさい権力争いの場にする火種だ」とオク・ファンは言います。

王の護衛カン・サンインが忠寧大君を探しに行きますが、大君をさらった者たちが〇されており、大君の姿はありませんでした。さらに、大君を襲った者と王后の弟ミン・ムグの私兵に関わりがあることに気づきます。

イ・スは容疑が晴れ解放されます。

兄弟間の争いを避けるため、世子以外の王子は政治に興味を持ったり勉学に励む事は禁止されていましたが、忠寧大君は政治や学問に興味を持っていたため、イ・スは以前から忠寧大君を心配していました。

オク・ファンの屋敷を出発した忠寧大君は、帰宅せず町を見物することにします。

明の使節が滞在する太平館を大君が通りかかったときに、王室に不満を抱く者が太平館を襲う事件が起こります。

その頃、オク・ファンは、高麗貴族と高麗に忠誠を尽くした忠臣のために祭事を行なっていました。「甲戌(こうじゅつ)年の悲劇を忘れてはならない」オク・ファンたちは高麗王族復興を誓います。

甲戌年(1394年)、朝鮮王は、高麗王家を江華島(クァンファド)と巨済(コジェ)に移すと言って船に乗せ、その船を沈没させ、海に葬ったとされています。生き残った者は王(ワン)氏の姓を隠し、全(チョン)氏、田(チョン)氏、玉(オク)と名乗り生き延びました。

太平館が襲われたことに明の使節ファン・オムは怒ります。

王と重臣は、使節の怒りを鎮めるため、世子に王の謝罪文を持って行かせようと考えますが、忠寧大君が見つからないこと、明は自分を婿にしようとしていることを理由に世子は従いません。

世子は明の属国になることを恥と考えますが、世子の叔父(王后の弟)が「王位継承のために力が必要だ」「父王の時代は終わった、父王の権威は失墜した。新時代を築こう、世子様の時代を」と説得し、世子は太平館に向かいます。

しかし、式典で、明の使節は世子から受けた盃に口をつけず酒を捨てました。「自国の民を監督できない世子は名誉を守る資格などない」と使節の怒りは収まりません。

王は太平館を襲った者を自ら罰したと言い、血の付いた刀を使節に渡します。

そして「余の刀を持ち帰れば、今、明で皇帝の右腕となっている鄭和(チョンファ)よりも株が上がるだろう。

鄭和は軍を従え列強に忠誠を誓わせているが、そなたは話術のみで朝鮮の忠誠を得た。

朝鮮の世子を婿に取るのは、朝鮮が女真、日本、蒙古と結託して明を圧迫しかねないと恐れているからだ。

今日そなたに朝鮮を建国した刀を渡す。これは何があろうとこの刀を明に向けないと言う誓いだ。

信頼は重要ではない、肝心なのはどんな成果を持って帰国するかだ。

この件が上手く解決すれば、皇帝は朝鮮の忠誠を手に入れ、そなたは権力と富を手にできる。私は息子を手放さずに済む」と説得します。

忠寧大君は、市場で亡くなった商人の店を、別の商人が奪い合うのを見て説教したため、乱闘騒ぎに発展します。

忠寧大君は商人たちと共に牢に入れられてしまいました。

牢の中で忠寧大君は「朝廷に命令されて店を閉めるに、保証金は役人が着服している。今の王は国を乗っ取った。だから、その下で働く役人も盗人だ」と商人が話しているのを聞き、「自分がこの問題を解決したら、王様を侮辱した罪を償って欲しい」と言います。

まもなく商人も大君も牢から解放され、解放された忠寧大君は、聞き知ったことを王に訴えようと申聞鼓(シンムンゴ)を叩きます。重臣たちは父王への非難だと忠寧大君の行動を警戒します。

感想

『恋人~あの日聞いた花の咲く音』が途中ですが、大王世宗のネタバレを少しずつ書いていきます。『恋人』は、切なすぎて、見られなくて…(泣)。ですが、とっても大好きなドラマなので、終わりも近いのですし、ゆっくりじっくり大切に観賞して記録していきたいと思います☆

『大王世宗』は2008年のドラマなので少し古いです。86話と、久しぶりの長編ドラマの視聴です(長編ドラマは、イ・ビョンフン前作品と、華政を視聴済みです)。

『太宗 イ・バンウォン』も以前視聴しましたが、『太宗 イ・バンウォン』とは太宗も世子も忠寧大君も全く違い戸惑います。世子は政治的意見を持った『イ・バンウォン』よりはマシな後継者として描かれています。

こちらのドラマでは、忠寧大君に聡明さはなく、生意気で身の程知らずな王子に描かれていますね。これからどのように成長していくのでしょうか。

大王世宗 1話、2話のネタバレと感想でした。最後までお読みいただきありがとうございました☆

恋人~あの日聞いた花の咲く音~ 21話 ネタバレと感想

オリジナルは全21話ですが、全32話版で視聴しています。

21話

ギルチェはやはり皇女の屋敷にいました。

「人並だな。一体何故大金を出して買おうとしたのだ」

ジャンヒョンもやって来ます。ギルチェは部屋から出されます。

「私に会いに来たのか、それともあの女に会いに来たのか?」

「恐れながら、国に送り返す…」

「いいや、今となってはそれはできぬ。もう私の侍女だ。生かすも殺すも私の勝手だ」

「朝鮮の捕虜達は真に気の毒であるな。清の民に買われた朝鮮の女人は、妻に嫉妬され顔に熱湯をかけられると聞いた」「切実なお前を見ると、あの女をますます手放したくなくなる。陛下に献上するのはどうだ?先日、陛下が寵愛していた宸妃(シン妃、ホンタイジの側室)が〇んだゆえ、お心を痛めておる」「その昔、偉大なと皇帝には大切な一人娘がいた。だが皇女は卑しい身分の武官と恋に落ちた。怒った皇帝は皇女の愛を試すことにした。武官に二つの扉の内、一つを選べと言い、右の扉の先には絶世の美女、左の扉の先には飢えた猛獣を置いた。それから皇女にはどちらの扉に武官を案内させるか選ばせた。武官を助けるには、美女がいる扉に案内させるべきだが、そうなれば皇女は愛する男が他の女人と結ばれる苦痛を受ける。もう一方を選べば、武官は命を落とす。お前ならどうする?私なら、猛獣に殺される姿を見ることになっても、手に入れたい男を他の女に渡したりはしない」

それから皇女は、朝鮮人の侍女に通訳させ、ギルチェと会話します。

皇女「ここに来るまで苦労したはず」

通訳「今までどのような苦労をしてきた?」

ギルチェ「確かに苦労ばかりでした。どうせ聞き取れません」

通訳「口にできぬ苦労だったようです」

皇女「朝鮮の女人は捕まると自害すると聞いたが、何故お前は自害しなかったのだ。勇気がなかったのか?」

通訳「なぜ自害しなかった?捕まっても生き延びたいわけは?」

ギルチェ「死のうが生きようが私の勝手です。私を救おうとした方がいる。その方のためにも必ず生き延びてみせる。もし私を殺せば、誰も無事では済みません(笑)」

通訳「勇気がなくて死ねず…皇女の元に来られて安心だと」

皇女は朝鮮語でギルチェに話しかけます。「口汚いな」そして、皇女の侍女に鞭で打たれます。

皇女の屋敷からの帰り道、朝鮮人侍女は「ダジムを知ってるの?」

「ダジム?ドクチュルさんの孫のダジムね。朝鮮の私の屋敷にいるわ」

侍女はダジムの母親でした。泣きながらギルチェに抱きつき、礼を言います。

「イ通訳官との関係は?皇女はイ通訳官を気に入っているみたい。あなたに関わればイ通訳官は殺される」

イングルダイはホンタイジに呼ばれ、朝鮮からの兵糧が届いていないことを責められます。明国から松山城(ソンサン城)を奪うためには兵糧が必要だとホンタイジは怒ります。

それを受け、世子に兵糧を運ぶよう言いますが、兵糧を運ぶ荷車と荷担ぎと馬、荷を運ぶための代金が足りないと説明します。ジャンヒョンは「耿仲明(こうちゅうめい)から米を借りて、朝鮮の米が届き次第返しては?そうすることで、荷車と馬の数を切り詰められ、約束の期日を守ることができる」と進言します。「私が赴き、耿仲明を説得します。但し、恐れながら一つお願いがございます。皇女の侍女に朝鮮の捕虜がおります。その者が国に帰れるよう世子様が尽力ください。清国では功績を立てた者には己の女人を遣わします。兵糧を送る事と逃げた捕虜を清国に引き渡すことはホンタイジが最も重視しています。兵糧が期限内に届けばホンタイジは必ずや満足します。その際、世子様が皇女の侍女を一人送り返すよう願い出て頂けませんか」

朝鮮王にばれたら世子が責められるから受け入れられぬと言う世子嬪に、ジャンヒョンは「捕虜を一人送り返すだけだ。その捕虜は、江華島で元孫を救った女人だ」と伝えます。元孫を助けた女人だと知れば、世子も世子嬪も態度が変わり、捕虜になった女人に同情します。

自分に関わればジャンヒョンが死んでしまうと聞いたギルチェは庭で考え事をしています。そこにジャンヒョンが現れます。「会えてよかった。私は数日、世子様の使いで留守にします。姿が見えなくても心配しないでください」

「危ないお役目ですか」

「危なくない。それでは」

去ろうとするジャンヒョンをギルチェが引き止めます。「皇女様はお優しい方です。捕虜市場にいた頃とは扱いが違います。ですから、私のために何もしないでください。お願いします」

ジャンヒョンがギルチェをよく見ると、ギルチェの首には鞭で打たれた傷がありました。

「わかった。そうしよう。何も心配しなくていい。安心して過ごしなさい」

ジャンヒョンは去って行きます。またも月が明るい夜でした。

ヨンジュンはク・ウォンムに「忙しい従事官様に代わり、私が藩陽に行き、奥方を探します」と申し出ますが「他の男が妻を探せば噂が立ち、妻が辱めを受ける。我が家のことには口出ししないでください。藩陽に人を送ったので、知らせが来るはずだ」と断られてしまいます。

ウネは「命の恩人のギルチェに何もできない」と泣き、臥せっていました。戦中、ウネがモンゴル人に襲われそうになった時に助けてくれたのはギルチェでした。ヨンジュンが牢に入れられた時、商売を始めて自分達家族を養ってくれたのもギルチェでした。自分が捕まればギルチェはきっと藩陽に助けに来てくれるはず、でも私は何もできない、今頃ギルチェは死んでいるでしょう…と泣きます。

ヨンジュンは儒学者の長老に弟子入りを申し出ます。「先生の力を慕っている、民の苦しみを見ても何もできない、命の恩人のために何もできない自分だが、少しでも国と民のために生きられるよう、私を使ってください」と素直に話します。

ジャンヒョンは耿仲明の屋敷にいます。「米はいずれ傷むものなので、古い米を送って、朝鮮の新米を受け取る方が良いのでは?」と提案するジャンヒョンに、耿仲明は「兵糧を運ぶと言って期日に間に合わなければ罰せられる。陛下に恨まれるより米を腐らせる方がマシだ。私は明から清に投降したから物言いがつくのは避けたい」と断られます。ジャンヒョンは「兵糧の件は陛下が最も重要視していること。私はここへは一度も来ていない事にしましょう。将軍が陛下の苦悩を知り進んで米を送ると提案されたことにしましょう。この件を清国人である皇帝に信頼されるために使いましょう」と提案し、耿仲明は、兵糧を送る事、運ぶ費用を減じる事に同意します。

皇帝は喜び、世子に褒美を遣わすと言います。世子は朝鮮人の侍女を頂きたいと申し出ます。

ジャンヒョンは、ギルチェを救おうとしますが、朝鮮人の他の侍女が「もう手遅れです。数日前に陛下が夫人にお会いになった」と言います。皇女が皇帝にギルチェを献上しようと連れて行った時、ギルチェは満洲語で「私は捕虜ではありません。私と同じように捕虜でないのに連れて来られたものが多くおります。私たちの無念を晴らしてください」と必死で訴えたのでした。

朝鮮の女人が、売られた先で主の妻に虐げられている、指を切られ、顔には熱湯をかけられているとギルチェから聞いた皇帝は、重臣を呼び、妻や妾が朝鮮人捕虜の女人を虐めることがあれば、夫が死んだ後、妻を生き埋めにすると宣言します。

ギルチェは朝鮮人捕虜達に感謝されますが、皇女の怒りを買い、今は生死もわからない状況だと侍女は話します。

ジャンヒョンは皇女の前に跪きます。「私の踵を切り落としても良い。皇女の下男になっても良い。あの女人の居場所だけでも教えてください」

皇女は「私の願いを聞けば居場所を教えよう。お前と狩に行きたい、賭けをしよう、命がけで挑まねばならぬ」と言います。リャンウムが止めますが、ジャンヒョンは「ギルチェに何かあれば、私は〇ぬ」と言います。

倉に閉じ込められていたギルチェは、「陛下があなたの無念を聞き入れ国に返せと仰った。但し、すぐに藩陽を発て。イ通訳官に決して会ってはならない。もし会えば、あの者は苦しみを味わうことになる」と告げられます。ジャンヒョンに会いたいと思いながらも、二度と会わないことがジャンヒョンの為だと思い、ギルチェは藩陽を発つことにします。

感想

今回も切なかったですが、ギルチェがジャンヒョンに対して少しずつ素直になっているのが嬉しかったです。ダジムを助けたことで、意地悪な侍女が今回は味方になってくれて朝鮮に帰れることに。このまま帰る事はないのだと思いますが(^-^;

恋人~あの日聞いた花の咲く音~ 21話のネタバレと感想でした。最後までお読みいただきありがとうございました☆

恋人~あの日聞いた花の咲く音~ 20話 ネタバレと感想

オリジナルは全21話ですが、全32話版で視聴しています。

20話

ジャンヒョンはカックァに呼び出され、狩に誘われます。「殿下を見ているとある人を思い出します」

カックァは自分の身の上を話し出します。夫がいたこと、チャハルの王子だった夫が、婚礼の宴の後に出かけたきり帰って来ない事、いつかモンゴルの王子に嫁げと言われれば従うつもりだという事。

「お前は私と共寝しなければならぬ」と言われ、ジャンヒョンは笑います。「この身は委ねられても心は捧げられません」「以前申しました。意を決しても、意のままにならぬことがあります」

「私はその女とは違う、けしてお前を捨てたりせぬ」カックァは酒に酔って寝てしまいます(ジャンヒョンの身は守られました笑)。

翌朝カックァが目覚めると、ジャンヒョンは蜂蜜水を用意していました。

ジャンヒョンが夜帰って来なかったのでクジャムは心配します。ジャンヒョンは「女といたが、一晩中話をしていただけだ」と言うので、クジャムはショックを受けます。

クジャムとヤンチョンの会話から、ジャンヒョンが「金で身分を買った両班」だと発覚します。

ギルチェは捕虜売りから「お前の夫が、お前を探しに来たが、男に売られたと聞いて帰って行った、お前を見捨てたってことだ」と聞き、捕虜の牢の中で絶望しています。その後、外に出されます。その時、ジャンヒョンの姿を見つけたギルチェは、思わず身を隠します。ジャンヒョンには、ギルチェの顔が見えません。。

その晩ギルチェは「夫が再びお前を連れ戻しに来た」と言われ、ジャンヒョンが牢に迎えに来るという夢を見ます。

リャンウムは藩陽に到着します。ヤンチョン親分が足を引きづっているのを目にし、彼の身の上に起こったことを理解し涙を流します。そして、ギルチェが藩陽にいるとジャンヒョンに伝えます。

ジャンヒョンとクジャムは直ぐにギルチェとチョンジョンイを探しに行きますが見つけられません。その頃、ギルチェは捕虜市場で競りにかけられていました。競りにかけられたギルチェは、ジャンヒョンを目にし、幻と思いましたが、それはジャンヒョン本人でした。ジャンヒョンも競りにかけられたギルチェを見つけ、捕虜売り達を次々と倒しギルチェに近づきます。そして、競りの台に上がり…見つめ合う二人…。ジャンヒョンは涙を流します。ギルチェも涙が溢れます。「なぜだ!」ジャンヒョンは何度も聞きますが、ギルチェは答えません。捕虜売りがジャンヒョンの頭を殴り、ジャンヒョンは頭から血を流し気絶し、ギルチェは捕虜売りに連れて行かれます。

ジャンヒョンが目を覚ますと、自分の屋敷にいました。手当をするリャンウムは「どこにも売らないよう手を打っておいた」と言います。ジャンヒョンは直ぐにギルチェを迎えに行きます。クジャムはチョンジョンイを探しに行きます。牢を出るように言われたギルチェは、自分が男と共寝をさせられると気づき警戒します。そこに来たのはジャンヒョンでした。「朝鮮で何不自由なく暮らすはずのあなたがなぜ?それよりなぜ私が藩陽にいると知りながら、私を頼らなかったのだ」「何故訪ねるのです。あなたを頼る理由はありません。私達は他人なのです」「もしや、外の者にお金を渡して、私を買ったのですか。あなたも結局は同じですね。何をしたらよろしいですか?お酒を注ぎますか?歌って踊りますか?他の事をお望みで?私に恩を施しても何も返せません。ですから何もしないでください。重荷に感じるのです」

「断る。此度は決してそなたに従わぬ。何を言おうと…私の思い通りにする」ジャンヒョンは部屋を出て行きます。

捕虜売りはギルチェを売らないと言い張り、ジャンヒョンを手下に始末させようとします。ジャンヒョンは捕虜売りを倒し、「捕虜を引き渡せ。従わないと言うなら、お前の目玉に金を刺したのち連れて行く」捕虜売りはギルチェを諦めます。皇女の手下がその様子を見ていました。

ジャンヒョンは全ての捕虜を買い、ギルチェの事も解放します。自分の屋敷にギルチェを連れて行き、壁越しにギルチェに話しかけます。「妙だな。月が明るい夜はいつもそなたと共にいる」「何がいけなかったのかわからない。あの時、そなたを残して南漢山城に行くべきではなかったのか。あの時、そなたを残して藩陽に行くべきではなかったのか。あの時、そなたが私を捨てた時…。清国の役所で証明書を貰えば捕虜ではなくなります。ですからもう安心してください。何も心配要りません」それを聞いてギルチェは涙を流します。

ギルチェは扉を開け、ジャンヒョンの顔を見ます。ジャンヒョンは壁にもたれて寝ているようでした。ギルチェはジャンヒョンの隣に座ります。

朝になるとギルチェが隣にいるのでジャンヒョンは焦ります。「何か失礼なことをしましたか」ギルチェは首を振ります。「役所に行く支度をする。そなたが着る衣を持ってくる」立ち去ろうとするジャンヒョンにギルチェは御礼を言います。「ありがとうございます」「いいや、私の方こそ」

ジャンヒョンは、ギルチェに着せる衣を探しますが、絹がなく困っています。リャンウムが「必要になると思って朝鮮から持ってきた」ジャンヒョンは上機嫌でリャンウムに礼を言い、ギルチェの元に戻りますが、ギルチェはいませんでした。代わりに捕虜売りが屋敷におり「女は他に売った。もういない」ジャンヒョンから受け取った金をジャンヒョンに返します。捕虜売りに掴みかかるジャンヒョン。「皇族が買うと言えば、逆らえない」

感想

ギルチェはジャンヒョンの元を去ってしまうのでは?と思いましたが、カックァに買われたんですね泣 ジャンヒョンを手に入れたいカックァは何でもする(>_<)ギルチェにはまたまた試練が泣 

恋人~あの日聞いた花の咲く音~ 20話のネタバレと感想でした。最後までお読みいただきありがとうございました☆

恋人~あの日聞いた花の咲く音~ 18話、19話 ネタバレと感想

オリジナルは全21話ですが、全32話版で視聴しています。

18話

「私が藩陽に来た理由は、世子様の運命が知りたかったのです。耐え抜けぬと思いました。しかし、世子様は立派に耐えておられます」

「私は、王様をお守りできず…」

「子が親を守るのではなく、子を守るのが親の役目です。世子様が清に屈したと世の者が非難し、王様が世子様の忠誠心をお疑うと、どうか耐え抜いてください。そのお姿を目にできれば、恥辱を恐れて〇を選んだ知人を許せそうな気がします」

ジャンヒョンは捕虜の中から年寄りばかり選んできたため、ピョ・オンギョムに責められます。「銀がなくて、若い者は買えなかった」と言いますが、本当の理由は、朝鮮とは気候が違う土地で農業をするため、経験豊富な者を求めての事だったのです。

捕虜の一人は「生まれ育った故郷で〇にたい。田畑を耕せば朝鮮に返してくれますか」と言います。それに対し世子は「私もいつ朝鮮に帰れるかわからないが、私が朝鮮に戻る時は必ずそなたたちを連れて帰る」と約束します。

藩陽に向かう捕虜の列の中にいるチョンジョンイはギルチェに話します。「藩陽でジャンヒョン様に助けを求めましょう」「あの方の話は止めて。あの方に会うのも、助けを求めるのもいけない」

見張りが一瞬離れた隙を盗んで、ギルチェは着物を破り、指を噛み血文字で文を書きます。チョンジョンイも自分の指を噛み手伝います。手紙に指輪を包み、道端にいた親子に向かって投げます。

藩陽に着いたギルチェは清国の役人の前に跪きます。

朝鮮の役人は、逃げた捕虜が連れ戻され罰を受けるところに立ち会うよう皇帝に命じられたため、ジャンヒョンが立ち会います。連れ戻された捕虜の中には、以前ジャンヒョンが逃がした捕虜もおり、もう逃げられないように踵を切られてしまいます。ギルチェは頭を下げていたため、ジャンヒョンとギルチェがお互いに気づくことはありませんでした。

その後、ギルチェは新王の屋敷に連れて行かれ、新王に仕えることになります。捕虜ではないと必死に訴えますが、ここに入ってしまえば、新王が法なので、以前捕虜だったかどうかは関係ないと誰も相手にしてくれません。

それでもギルチェはジャンヒョンに助けを求めることはしないと意地を張ります。

朝鮮出身の下女に助かる方法を聞いたギルチェは、翌日、新王の前に跪き「私は捕虜ではない」と訴えます。しかし、言葉がわからないギルチェが教えられたのは「私は新王の寵愛を受けたい」という言葉でした。新王に媚を売ったとして后の怒りを買い、ギルチェは指を切られそうになりますが、リーダー格の側室が「新王に仕える者を傷物にできない」と庇い、何とか免れます。

ギルチェを探しに藩陽へ向かっていたヨンジュンとリャンウムは、朝鮮の民の惨状を目にします。清に兵と兵糧を送るため国は財政難に陥り、貧しい民は土を食べる有様でした。

ギルチェの肖像画を見せ探し歩く二人に、先ほどの親子がギルチェの文と指輪を見せます。

「ク従事官様。ギルチェは藩陽」

二人は急ぎ従事官の屋敷に戻ります。

世子館では農作業の為に牛を飼うことになり、ジャンヒョンがモンゴルへ赴きます。

新王の目に留まり、ギルチェは共寝の準備をさせられますチョンジョンイは新王の屋敷に来ていた朝鮮の役人に「ジャンヒョン様に“ギルチェ様がいる”とお伝えください」と頼みます。着物を脱がされ「体に傷がないから、新王の寵愛を受けるだろう」と言われたギルチェは花瓶を割り、わざと顔に傷をつけます。リーダー格の側室は怒り、ギルチェとチョンジョンイは捕虜市場に売られることになります。「ダジムを助けなければ連れ去られることはなかった。あの老人を鍛冶場に入れなければ…」

「ダジム」という名前に朝鮮出身の下女が反応しますが、ギルチェたちはすぐに捕虜市場へ連れられてしまいます。市場で牢に入れられるギルチェたち。ある捕虜が疫病に罹ったと偽り、騒ぎを利用し捕虜たちは逃げ出します。ギルチェの鍛冶場にいた老人(ギルチェは金を払い、この老人の孫を助けました)は、ギルチェの牢の鍵を壊し、二人を助けます。

ク・ウォンムはギルチェを連れ戻す為、一人藩陽に向かいます。

モンゴルからの帰路、ジャンヒョンは逃げる捕虜たちを目撃します。

19話

捕虜市場から捕虜たちが逃げ出します。捕虜ハンターカックァが捕虜を捕らえようとしますが、モンゴルから帰国途中に通りかかったジャンヒョンが邪魔をします。

チョンジョンイの衣に矢が刺さり捕まりそうになりますが、ギルチェの鍛冶屋にいた老人が、孫を助けてくれてありがとうと囮になり、ギルチェとチョンジョンイが逃げるのを助けます。

女性達の中には、捕まって身を汚されるより良いと崖から身を投げる者もいます。チョンジョンイもそれに続こうとしますが、ギルチェは「私が守ってあげるから大丈夫」と言い、止めます。しかし、直後に捕まり、捕虜市場に連れ戻されます。ギルチェは殴られ、チョンジョンイは別の者に連れて行かれ、二人は別々になってしまいます。

ク従事官は藩陽に行く途中の宿で「捕虜市場に出されたのなら、もう傷物になっているはずだ。それでも良いのか?」と言われてしまいます。

ク従事官は、その夜、同じ宿に泊まった老人に金を盗まれます。老人は「捕虜となった息子を助けるためです。傷物になった奥方を連れ戻してどうするのですか?妻は再び娶ればいいですが、息子の代わりはいません」と必死に頼み込まれます。

漢陽では、ギルチェは「女のくせに出歩くから、こんなのとになった」と噂されます。

心の綺麗なウネは、ギルチェの無事を祈ります。それを聞いたヨンジュンは役所に相談に行きますが「証拠がない」と相手にされません。ヨンジュンはその後、以前投獄された際に助けてくれた儒教者にギルチェの救出を頼みに行きますが「大義名分がない」「捕虜ではないと証明することは難しい」と断られてしまいます。

ジャンヒョンは「モンゴルで良い牛を選んできた」と世子館の皆に褒められます。

「お陰でモンゴルに行かなくて済んだ」と言う同僚に「御礼として紙100巻を譲ってくれ」と要求します。しかし、同僚は「世話になった方の娘が新王の下女になっている。救い出さなければならないので、すぐには容易できぬ」「一月前に新王の屋敷に行った時、ある下女が“ユ家の奥様がここにいる”と言うのが、誰に伝えればよいか聞いておらず、通訳官達に尋ねたところ、この者の知人だったのだ」と言います。

その時、皇女の輿が現れ、皇女はジャンヒョンの前で輿を降り、顔を上げるようジャンヒョンに言います。皇女はカックァでした!

なぜ捕虜を捕らえる?と聞くカックァに、ジャンヒョンは「イングルダイ将軍に命じられたまで」と答えます。さらにカックァは「お前の時が欲しい」と言います。「たいていの男は、私の前では口ごもるか、目も合わせられぬというのに、私を何とも思わぬのか?」と言われ、ジャンヒョンはギルチェを思い出し笑います。

「なぜ皇女が捕虜を捕らえているのか」と聞くと「私は、幼い頃から朝鮮に行き、朝鮮の内情を陛下にお伝えしてきた。しかし、陛下は女人が出歩くのを嫌がるようになった。王府の女人を総べるよう命じられたが、退屈ゆえ捕虜狩をしている。私ならば、我が国が戦に敗れて捕虜になるくらいなら死を選ぶ。捕虜になったのに生きようとあがくのは見苦しくてならぬ」と言います。

ジャンヒョンは「これまで全て意のままになってきたようですね。世の中には意のままにならぬこともあります」と理解を示しません。

「朝鮮の者は、私達を恐れるか、蛮族と見下すかどちらかだが、お前はどちらでもない」と言う皇女に、「かように美しく聡明な方を見下すわけがありません」と答えます。皇女はそんなジャンヒョンにキスしますが、ジャンヒョンは拒否します。「私と共寝せよ」と言う皇女に「私は捕虜でも皇女の下男でもありません。朝鮮の通訳官ごときが皇族に関われば無事では済みません。どうか私の命をお助けください」と頭を下げ、その場を去ります。

ク従事官は、藩陽の世子館に来ていました。捕虜の名簿にギルチェの名はなく「捕まった捕虜のうち3人は踵を切られ、残りは清国での主に返された。捕虜の引き取りを望む主人はここに届けるが、引き取りを望まぬ場合は名簿には名が載らぬ。手の施しようがない」「捕虜市場に行ってみなさい。先日、ある女人が捕虜市場に送られたそうだ。とても美しいが、自らの額を傷つけたそうだ」と聞き、捕虜市場に行きます。捕虜市場の惨状に驚きながらもギルチェを探し続けますが、捕虜市場で「もう売られた。今頃男と一緒だ」と言われ、一人で漢陽に戻ってしまいます。

世子は、清国から毎日のように兵糧を催促され疲弊しています。「恥辱に耐えなければならないのか」と言う世子に、ジャンヒョンは「捕虜市場の捕虜達は、恥辱に耐えているのではなく、生き抜くと決めた者達です。一日生き伸びれば、その一日の戦いに勝利した戦士になれるのです」「儒者達は世子様に明国との義理を守ることを望んでいますが、世子様は朝鮮のお世継ぎです、清国の意を汲むことも義理を守る行いです。世子様のお陰で再び戦が起きずに済んでいます。また、民の負担を少しでも減らそうとなさることは、まさに民との義理を守ることになるのです」「微力ながら兵糧を運ぶ荷車と荷担ぎを確保するために尽力します。私は臣下として世子様との義理を守ります。私は世子様に、世子様は朝鮮の民に義理を果たすのです」と進言します。

皇女の下女は「ジャンヒョンは世子の寵愛を受けている。女性はいない」と報告します。

ウネは自分がギルチェを連れ戻すと屋敷を出ようとしますが、ヨンジュンに止められます。

それを見たリャンウムは、ジャンヒョンのためギルチェを連れ戻すそうと藩陽に発ちます。

ギルチェは清国人に売られますが、耳を噛み、自分の身を守ります。

感想

カックァの正体に驚きです!カックァにはギルチェに似たところがあって、ジャンヒョンがカックァにギルチェの面影を感じて…なんてことがあるのかもとハラハラでしたが、今のところカックァにはなんの感情もない様子(良かった)。

チョンジョンイはどうなったのでしょうか?

ク・ウォンムはプライドが高そうなので、ギルチェが身を守り通したとしても、一度捕虜として捕まった女性を妻としておくのは耐えられないだろうと思います。ジャンヒョンなら、生き抜き耐え抜いたギルチェを誇らしく思ってくれるはずなので、ギルチェにはやはりジャンヒョン様がお似合いなのですよね!ジャンヒョン様、早くギルチェを助けて欲しいです。

リーダー格の側室役の女優さん、どこかで見たことがあるのですが、どのドラマだったでしょう。思い出せません。

恋人~あの日聞いた花の咲く音~ 18話、19話のネタバレと感想でした。最後までお読みいただきありがとうございました☆

恋人~あの日聞いた花の咲く音~ 16話、17話 ネタバレと感想

オリジナルは全21話ですが、全32話版で視聴しています。

16話

ジャンヒョンは清国の世子の元に戻ります。

ピョ・オンギョム内官に「朝鮮で何かあったか?恋しい女人を失った顔をしているな」と聞かれたジャンヒョンは「永遠に失ってしまいました」と答えます。

内官は「私も大切なものを永遠に失った。無くなったものはいずれ忘れ去るものだ。なければ生きられぬものなどない。時がたてば全て忘れ去る」と励まします。

清国に戻ったジャンヒョンは、以前のように逃げた捕虜を捕まえる生活に戻ります。

そんなある日、捕虜となっていた義州(ウィジュ)のヤンチョン親分に再会します。ジャンヒョンは、ヤンチョンを保護し、これまでの経緯を話します。

イングルダイは捕まえた捕虜の踵を切ろうとしますが、ジャンヒョンは捕虜を救っていました。

「踵を切っては価値が下がってしまう。私が一人30両で売るので、一割を私にください。踵を切るのは売れ残ってから考えよう」と持ち掛け、しかし、捕虜が30両の高値で売れるはずはなく、ジャンヒョンは売り上げとしてイングルダイに身銭を差し出し、捕虜を匿っていたのです。

「私を騙したら、お前の踵を切る」とイングルダイに言われても、顔色一つ変えずジャンヒョンはやってのけました。イングルダイは機嫌を良くし、ジャンヒョンに次々と捕虜を売るように押しつけます。

ウシム亭の支店を出すために貯めていた金はほとんど底をつき、クジャムは文句を言います。

さらに、ジャンヒョンは匿った捕虜を密かに朝鮮に帰す活動をしていました。

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「義州へ行ったが、既に親分が捕まった後だった」

「気にするな」「女がいたのか?美人か?」

「いいや」

「美しくもない女になぜ気を揉むんだ?」

「ただ頼もしい人だ。親分みたいに」「ありがとう。生きていてくれて」

「お前は前世で俺に借りがあるようだ。だから現世では俺の命の恩人なんだ、そうだろう」照れ隠しをしながら、本人なりの御礼を言うヤンチョンにジャンヒョンは微笑みます。

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後宮の女人の中に朝鮮の妓生のヨンナンを見つけたジャンヒョンは、彼女をはじめ清国後宮に捕らわれた朝鮮の女人を逃がすことにします。

清国皇室の人間と関係を持った女性が朝鮮に帰っても後ろ指をさされるだけだとクジャムとヤンチョンが反対しますが、ジャンヒョンは聞きません。

皇室に品物を納めているジャンヒョンは、皇室に入り、荷車に女性たちを乗せ、捕虜ハンターを罠にかけ、女性たちを逃がします。

クジャムとヤンチョンも結局手を貸し、ヤンチョンは大怪我をします。

清国の者に辱められ汚れたというヨンナンを「犬に噛まれても汚れたとは言わない、変な奴に殴られても汚れたとは言わない」とジャンヒョンは励まします。

漢陽(ハニャン)に残ったリャンウムはジャンヒョンを忘れられず、少しでもジャンヒョンを感じるために大嫌いなギルチェを遠くから見ています。

ギルチェの商売は順調で、仁祖(インジョ)の側室のチョ氏が取引先になるほどでした。

17話

清国の勅使から朝鮮王に「朝鮮が逃げた捕虜を捕らえぬゆえ、王自らが藩陽に出向き皇帝に釈明せよ」と伝えられ、朝鮮では逃げた捕虜を捕らえることに躍起になります。

逃げた捕虜の中には自害する者、手足を切って免れようとする者、褒美を貰おうと捕虜ではない者を差し出す者までおり、朝鮮は混乱します。

ヨンジュンは捕虜を送り返すことは仕方のないことだが、捕虜の家族の救済と、捕虜の買戻しをするよう上疏を書きます。

ギルチェの鍛冶屋で清国から逃げた捕虜が働いていたため、ギルチェは役所で聴取を受け「捕虜と知らずに雇っていた、私に非はない」と弁明します。

役所から帰ろうとするギルチェは、新王の逃げた下女を探すチョン・ミョンスに目をつけられてしまいます。チョン・ミョンスは、逃げた下女を見つけられないので、新王が好みそうな女性を拉致し、捕虜と偽り、藩陽に連れて行っていました。

鍛冶屋で働いていた捕虜に「孫だけは助けてほしい」と言われたギルチェは、金を払い、捕虜の孫のダシムを買い戻しますが、屋敷に帰る途中、チョンジョンイと共にチョン・ミョンスの手下に連れ去られてしまいます。

ギルチェが目を覚ますと、藩陽に向かう捕虜の列の荷車に乗せられていました。逃げようとした者、歩けなくなった者は容赦なく〇されます。

ギルチェとチョンジョンイは仕方なく歩くことになります。チョンジョンイが疲れて意識を失いそうになり、ギルチェは装飾品を渡しチョンジョンイを荷台に乗せてもらい、自分は歩きます。

道端で泣いているダジムを見つけたリャンウムは、ギルチェの屋敷にダジムを連れて行きます。

「奥様とチョンジョンイが満洲語を話す男に連れ去られた」とダジムが話しますが、ギルチェがジャンヒョンと逃げたのではと疑っていたク・ウォンムは、ジャンヒョンの手下のリャンウムが来たことで疑いが確信になったとリャンウムを信じません。

リャンウムを信じたヨンジュンはギルチェを探し藩陽に行くことにします。

ギルチェを思い出し一人で酒を飲んでいたジャンヒョンは、偶然、捕虜ハンターのカックァに会います。

日照りが続き兵糧が不足しているため、世子館の食料は自ら用意するよう皇帝に命じられます。

農作業をしなくてはならなくなった世子は、「捕虜を買って農作業の働き手として使おう」というジャンヒョンの進言により捕虜市場に行き、物のように扱われる朝鮮人捕虜の現実を知ります。

大勢の前で服を脱がせられた女性を見た世子は「なぜ自害しないのか?朝鮮の恥だ」と言いますが、ジャンヒョンに「朝鮮の王は敵の前で9回も頭を下げる恥辱を受けても自害せずにいます。ある者は恥辱を悲しみ、なぜ別の者は自害しなければならないのですか?捕虜たちは真に〇んで恥辱を免れるべきだと思いますか?そうお考えでしたら、この場で私をお斬りください」と言われてしまいます。

ジャンヒョンに刀を向けていた世子は、刀を捨て、帰ってしまいます。

その後、ジャンヒョンは再び世子に呼ばれます。

「不忠なお前が私と藩陽に来た理由はなんだ」

「随分前に私の知り合いが恥辱にまみれるのを恐れて自ら〇を選びました。私には到底理解できず腹が立ちました。私が藩陽に来た理由は、世子様の運命が知りたかったのです」

感想

妊婦の捕虜役を演じていたのは、『チュノ』で奴婢のチョボクを演じたミン・ジアさんですね。チュノと同じぼろぼろの身なりだったので、すぐにわかりました。チュノでは不美人な奴婢という設定で「奴婢が美人では悲惨な人生になるから、不美人で良かった」と自分で言うのですが、実際のミン・ジアさんは結構美人だと思います。美人なのに、不美人の役もこなす韓国女優さん、尊敬します☆

追記:『王になった男』のキム尚宮も、ミン・ジアさんでした!やはり、役柄が変わると気づかないです(^-^;

今回はギルチェが3分ほどしか登場せず。二人はいつ再会できるのでしょうか。藩陽で再会することになるのでしょうか。

恋人~あの日聞いた花の咲く音~ 16話のネタバレと感想でした。最後までお読みいただきありがとうございました☆

恋人~あの日聞いた花の咲く音~ 15話 ネタバレと感想

オリジナルは全21話ですが、全32話版で視聴しています。

15話

ウネとギルチェの話を聞いてしまったヨンジュンは、ジャンヒョンに駆け落ちはしないよう説得に行きますが、ジャンヒョンに「ヨンジュン殿はギルチェ殿を奪われるのを恐れているのでは?今もギルチェ殿が自分を想ってくれていることを期待しているのでは?」と言われ、ジャンヒョンを殴ります。

「今更現れてギルチェ殿を家族から引き離すつもりか!」

「今まさに、その罪を償っている。私も以前はギルチェ殿の心からそなたを完全に追い出したのち、ギルチェ殿の心を手に入れようと欲をかいた。だが、もう耐えられぬ、心の半分でも、そのまた半分でも手に入れなければならぬ」

ジャンヒョンは、ク・ウォンムの屋敷にいるギルチェに会いに行きます。

「一つだけ聞こう。私を忘れて生きられるか?そなたが他の男と幸せになれるなら、私は身を引く。そなたが他の男を望むなら、二度と未練は抱かぬ。だが、そうでないなら、私と行こう」「今、この手を取らぬなら、そなたの元を去り、二度と現れぬ」

「相変わらずです。二度と現れぬと言えば、私が不安がるとでも?いつもそうです。舌先三寸で私を弄び、不安にさせ、やきもきさせて待たせる。そんな私の気持ちを考えたことが?」

「私を待たせたのは、そなたの方だろう。手に入れるとすぐに飽きる性分だ。ヨンジュン殿のことを長い間想っていたのは、手に入れられぬ男だからだろう。私のことも容易に手に入れば飽きると考えた。それゆえ心に決めた。容易に手に入らぬ男になると」

「ゆえに避難の際、私を捨てたのですか、口付けをしておきながら突き放したのですか」

「そなたのことを捨てても突き放してもいない」

「私はここにいました。片時も離れずにあなたのことを待ち続け、恋しがった」

「真に私を待ち続けて恋しがったのか」

「いいえ、今は違います。あなたを恋しがりも待つこともしません。一生憎みます。〇ぬまで憎みます。あなたも私みたいに泣きながら待てばいい!」

ジャンヒョンはギルチェを抱きしめます。

「帰って。振り返らずに行ってください。二度と騙されない」

「ギルチェ殿、ならば私は罰としてそなたの手で〇ぬ。それゆえ私と共に逃げよう」

ギルチェは首を横に振ります。

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ギルチェの姿が見えないのでク・ウォンムはギルチェを探しています。女性物の履物が庭に落ちていました。

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ギルチェはジャンヒョンの手を取ります!二人で逃げる決心をしました。

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ク・ウォンムの屋敷では「清国兵に女人がさらわれることが多い。ギルチェに何かあったのかも…」と兵を出しギルチェを探します。

チョンジョンイはクジャムに会いに行きます。「今から渡し場へ行く。ギルチェ様も来るはずだ。お前も一緒に行こう。難しく考えるな、必ず来いよ」クジャムはチョンジョンイの額にキスします。

ジャンヒョンとギルチェは一まず宿に入ります。

「駆け落ちでは?」と聞いてくる宿屋の女将に、ギルチェは「私の夫よ」と答えます。それを聞いたジャンヒョンは微笑みます。

「明日、渡し場へ行こう」と言うジャンヒョン。

ジャンヒョンは、清国で買ってきた履物を寝ているギルチェの足に合わせてみて、ぴったりなのを確認し、また微笑みます。

ギルチェは目を覚まします。「私の夫になるのですか?」

「そなたの行い次第だ。釣った魚ゆえ私の勝手だろう」ジャンヒョンは照れ隠しにまた憎まれ口をたたいてしまいます。

怒るギルチェを引き寄せます。「夫などとんでもない。そなたの使用人になる。私の身も心も、心の臓もそなたの物だ」

宿にウネとチョンジョンイがやって来ます。

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ギルチェを探すク・ウォンムの屋敷で、ク・ウォンムの部下が「結納の日に妙なことがありました。許嫁の方がある男を見て驚いていました」と伝えます。

「お前も見ただろう」と聞かれたパクテは「死んだ人が生きていたと聞いただけで、何も見ておりません」と口を滑らせます(>_<)

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ウネはクジャムに聞いてここに来たと言います。

「ここで会えてよかった。ク・ウォンム様があなたのことを探している。だから渡し場へは行ってはだめよ」

「私を罵ってもいい」

「私には責められない。心配せずに後のことは任せて」ウネはギルチェの背中を押します。

ク・ウォンムにギルチェについて聞かれるヨンジュン。

「死んだはずの男が生きて戻って来ただと?」

「ギルチェ殿がその者についていくわけがない」

「国法では、夫が密通した妻を〇すのは罪にならぬとご存じでしょう?すでにギルチェ殿は私の妻も同然。万一、ギルチェ殿が駆け落ちしたのなら、私はその男を〇して、必ずギルチェ殿を…」

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「またジャンヒョン様が黙って姿を消したらどうなさるんです?」「スゲチマ(外出時に使う被り物)もないのでは?」着替えを持ってきたチョンジョンイは、ギルチェを心配しています。

ギルチェは、落ち着いたら必ず迎えに行くとチョンジョンイに別れを告げます。

「いいえ、私まで一緒に行ったら悪い噂が立ちます。…必ず迎えに来てください。嫁がずに待っていますから」

ギルチェはチョンジョンイを抱きしめます。「必ず迎えに行く」

申し訳ないと謝るジャンヒョンを、ウネは「ギルチェはとても寂しがっていました。側で見ていて知っています。ゆえに今日はめでたい日です。ギルチェを幸せにしてください」と応援します。

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ウネが屋敷に一人で帰って来たのを見て、ヨンジュンも全てを悟ります。「良かったのだ。ギルチェ殿の願いが叶って」

翌朝。ギルチェの父は「ギルチェは後金兵に連れ去られた」と騒いでいます。

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別の渡し場で船を用意すると言うジャンヒョン。

ギルチェは一緒に行くと言いますが、ジャンヒョンは「風が冷たいゆえ、待っていてくれ」とギルチェを宿に置いていきます。

「お待ちを。私は結納を交わしました。この先そのことで後ろ指をさされたらどうしますか」

「怖いのか?」

「いいえ、聞かぬふりをします。でも、あなたが心変わりするやも。厚かましい私を疎んで、また突然去ってしまったら?」

「知らぬようだな。厚かましいゆえ惹かれた。行ってくる」ジャンヒョンは出かけ、ギルチェはジャンヒョンの用意した履物に気がつきます。

ギルチェは履物を履こうとしますが、父親を思い出し、ジャンヒョンに置き手紙を用意し、最後に父親に挨拶に行くことにします。

“父に挨拶するので、先に渡し場へ行っていてください”

父に「ヌングン里(リ)に行ってくる」と言い、ジャンヒョンの待つ渡し場へ急ぐギルチェ。しかし、心を患っている父を置いていくことはできず、ギルチェは引き返します…。

ギルチェは屋敷へ戻り、何事もなかったかのようにク・ウォンムに挨拶し、チョンジョンイはギルチェを見て泣き、ウネは「どうして?」とがっかりした様子です。

屋敷では、ギルチェとク・ウォンムの婚礼の準備が進みます。寂しそうな顔で婚礼の準備を見守るギルチェをジャンヒョンが遠くから見ています。

ギルチェはチョンジョンイに頼み、ジャンヒョンに履物を返します。手紙もありました。

“しばし心が揺らぎましたが、私は全てを捨てられるほど、あなたのことを信じていません。恋い慕ってもいません。私への情が残っているなら、全て忘れ去ってください”

ジャンヒョンは船に乗り、手紙と履物を河へ捨てます。その様子を離れたところからギルチェが見ています。

リャンウムも見ていました。リャンウムはギルチェの件で、ジャンヒョンを失ってしまったのですね。

“私を憎んだことがありますかと聞いた時、こう答えましたね。

そなたが去って行くとき、憎くてしばし見ていた、と。

でもいくら見ても憎しみは深まらず、己を憎んだ、と。

そして、おっしゃいました。

冷たい人だ。私の想いがわかるのか、と。

今、答えます。

察することができませんでした。

たとえ私の心が引き裂かれようと、あなたが同じ想いをせぬよう願うのみです”

ジャンヒョンはギルチェを忘れられず、自暴自棄になりながら清国に戻ります。

ギルチェは、ク・ウォンムと婚礼を挙げます。

感想

切なすぎて、胸が苦しくて、見ているのが辛かったし、視聴後もかなり引きずりました😿 あと少しだったのに、次回からはジャンヒョンと苦労するギルチェを見ることになると思っていたのに、あの時、宿にギルチェを置いて行かず、一緒に渡し場へ行っていたら…と悔やま…ますが、やはり家族を置いては行けませんよね。元と言えば、家族のために決心した婚姻。心を患っている父、幼い弟、両班の娘で一人では何もできない妹…自分がいなくては、家族がどんなに苦労をすることになるか…。後ろ指をさされて生きることになるか…。ク・ウォンムに何をされるかわからないですし…(ギルチェはク・ウォンムの冷酷さをまだ知らないわけですが。そして、14話の感想で、ク・ウォンムを「優しい人」と書いた私は、まんまと騙されていました…)。それでも悲しすぎる😿 

少し前までは「夢の中の若様」と結婚することしか考えていなかったお嬢様のギルチェが、戦争、父の病、ヨンジュンの投獄、貧困、様々なことを経験し、商売を始め大人になり、でも大人になると現実的な選択しかできないのですよね、悲しいことに。

ギルチェに会えることだけを考え清国で汚れ仕事をしてきたジャンヒョンも報われないです…。世子に協力するのも、朝鮮の民のため=ギルチェのため、儲けるのもギルチェのためだったのに…。婚姻してしまったので、この先のハッピーエンドはないのでしょうか😿

恋人~あの日聞いた花の咲く音~ 15話のネタバレと感想でした。最後までお読みいただきありがとうございました☆