オリジナルは全21話ですが、全32話版で視聴しています。
21話
ギルチェはやはり皇女の屋敷にいました。
「人並だな。一体何故大金を出して買おうとしたのだ」
ジャンヒョンもやって来ます。ギルチェは部屋から出されます。
「私に会いに来たのか、それともあの女に会いに来たのか?」
「恐れながら、国に送り返す…」
「いいや、今となってはそれはできぬ。もう私の侍女だ。生かすも殺すも私の勝手だ」
「朝鮮の捕虜達は真に気の毒であるな。清の民に買われた朝鮮の女人は、妻に嫉妬され顔に熱湯をかけられると聞いた」「切実なお前を見ると、あの女をますます手放したくなくなる。陛下に献上するのはどうだ?先日、陛下が寵愛していた宸妃(シン妃、ホンタイジの側室)が〇んだゆえ、お心を痛めておる」「その昔、偉大なと皇帝には大切な一人娘がいた。だが皇女は卑しい身分の武官と恋に落ちた。怒った皇帝は皇女の愛を試すことにした。武官に二つの扉の内、一つを選べと言い、右の扉の先には絶世の美女、左の扉の先には飢えた猛獣を置いた。それから皇女にはどちらの扉に武官を案内させるか選ばせた。武官を助けるには、美女がいる扉に案内させるべきだが、そうなれば皇女は愛する男が他の女人と結ばれる苦痛を受ける。もう一方を選べば、武官は命を落とす。お前ならどうする?私なら、猛獣に殺される姿を見ることになっても、手に入れたい男を他の女に渡したりはしない」
それから皇女は、朝鮮人の侍女に通訳させ、ギルチェと会話します。
皇女「ここに来るまで苦労したはず」
通訳「今までどのような苦労をしてきた?」
ギルチェ「確かに苦労ばかりでした。どうせ聞き取れません」
通訳「口にできぬ苦労だったようです」
皇女「朝鮮の女人は捕まると自害すると聞いたが、何故お前は自害しなかったのだ。勇気がなかったのか?」
通訳「なぜ自害しなかった?捕まっても生き延びたいわけは?」
ギルチェ「死のうが生きようが私の勝手です。私を救おうとした方がいる。その方のためにも必ず生き延びてみせる。もし私を殺せば、誰も無事では済みません(笑)」
通訳「勇気がなくて死ねず…皇女の元に来られて安心だと」
皇女は朝鮮語でギルチェに話しかけます。「口汚いな」そして、皇女の侍女に鞭で打たれます。
皇女の屋敷からの帰り道、朝鮮人侍女は「ダジムを知ってるの?」
「ダジム?ドクチュルさんの孫のダジムね。朝鮮の私の屋敷にいるわ」
侍女はダジムの母親でした。泣きながらギルチェに抱きつき、礼を言います。
「イ通訳官との関係は?皇女はイ通訳官を気に入っているみたい。あなたに関わればイ通訳官は殺される」
耿仲明
イングルダイはホンタイジに呼ばれ、朝鮮からの兵糧が届いていないことを責められます。明国から松山城(ソンサン城)を奪うためには兵糧が必要だとホンタイジは怒ります。
それを受け、世子に兵糧を運ぶよう言いますが、兵糧を運ぶ荷車と荷担ぎと馬、荷を運ぶための代金が足りないと説明します。ジャンヒョンは「耿仲明(こうちゅうめい)から米を借りて、朝鮮の米が届き次第返しては?そうすることで、荷車と馬の数を切り詰められ、約束の期日を守ることができる」と進言します。「私が赴き、耿仲明を説得します。但し、恐れながら一つお願いがございます。皇女の侍女に朝鮮の捕虜がおります。その者が国に帰れるよう世子様が尽力ください。清国では功績を立てた者には己の女人を遣わします。兵糧を送る事と逃げた捕虜を清国に引き渡すことはホンタイジが最も重視しています。兵糧が期限内に届けばホンタイジは必ずや満足します。その際、世子様が皇女の侍女を一人送り返すよう願い出て頂けませんか」
朝鮮王にばれたら世子が責められるから受け入れられぬと言う世子嬪に、ジャンヒョンは「捕虜を一人送り返すだけだ。その捕虜は、江華島で元孫を救った女人だ」と伝えます。元孫を助けた女人だと知れば、世子も世子嬪も態度が変わり、捕虜になった女人に同情します。
自分に関わればジャンヒョンが死んでしまうと聞いたギルチェは庭で考え事をしています。そこにジャンヒョンが現れます。「会えてよかった。私は数日、世子様の使いで留守にします。姿が見えなくても心配しないでください」
「危ないお役目ですか」
「危なくない。それでは」
去ろうとするジャンヒョンをギルチェが引き止めます。「皇女様はお優しい方です。捕虜市場にいた頃とは扱いが違います。ですから、私のために何もしないでください。お願いします」
ジャンヒョンがギルチェをよく見ると、ギルチェの首には鞭で打たれた傷がありました。
「わかった。そうしよう。何も心配しなくていい。安心して過ごしなさい」
ジャンヒョンは去って行きます。またも月が明るい夜でした。
ヨンジュンはク・ウォンムに「忙しい従事官様に代わり、私が藩陽に行き、奥方を探します」と申し出ますが「他の男が妻を探せば噂が立ち、妻が辱めを受ける。我が家のことには口出ししないでください。藩陽に人を送ったので、知らせが来るはずだ」と断られてしまいます。
ウネは「命の恩人のギルチェに何もできない」と泣き、臥せっていました。戦中、ウネがモンゴル人に襲われそうになった時に助けてくれたのはギルチェでした。ヨンジュンが牢に入れられた時、商売を始めて自分達家族を養ってくれたのもギルチェでした。自分が捕まればギルチェはきっと藩陽に助けに来てくれるはず、でも私は何もできない、今頃ギルチェは死んでいるでしょう…と泣きます。
ヨンジュンは儒学者の長老に弟子入りを申し出ます。「先生の力を慕っている、民の苦しみを見ても何もできない、命の恩人のために何もできない自分だが、少しでも国と民のために生きられるよう、私を使ってください」と素直に話します。
ジャンヒョンは耿仲明の屋敷にいます。「米はいずれ傷むものなので、古い米を送って、朝鮮の新米を受け取る方が良いのでは?」と提案するジャンヒョンに、耿仲明は「兵糧を運ぶと言って期日に間に合わなければ罰せられる。陛下に恨まれるより米を腐らせる方がマシだ。私は明から清に投降したから物言いがつくのは避けたい」と断られます。ジャンヒョンは「兵糧の件は陛下が最も重要視していること。私はここへは一度も来ていない事にしましょう。将軍が陛下の苦悩を知り進んで米を送ると提案されたことにしましょう。この件を清国人である皇帝に信頼されるために使いましょう」と提案し、耿仲明は、兵糧を送る事、運ぶ費用を減じる事に同意します。
皇帝は喜び、世子に褒美を遣わすと言います。世子は朝鮮人の侍女を頂きたいと申し出ます。
ジャンヒョンは、ギルチェを救おうとしますが、朝鮮人の他の侍女が「もう手遅れです。数日前に陛下が夫人にお会いになった」と言います。皇女が皇帝にギルチェを献上しようと連れて行った時、ギルチェは満洲語で「私は捕虜ではありません。私と同じように捕虜でないのに連れて来られたものが多くおります。私たちの無念を晴らしてください」と必死で訴えたのでした。
朝鮮の女人が、売られた先で主の妻に虐げられている、指を切られ、顔には熱湯をかけられているとギルチェから聞いた皇帝は、重臣を呼び、妻や妾が朝鮮人捕虜の女人を虐めることがあれば、夫が死んだ後、妻を生き埋めにすると宣言します。
ギルチェは朝鮮人捕虜達に感謝されますが、皇女の怒りを買い、今は生死もわからない状況だと侍女は話します。
ジャンヒョンは皇女の前に跪きます。「私の踵を切り落としても良い。皇女の下男になっても良い。あの女人の居場所だけでも教えてください」
皇女は「私の願いを聞けば居場所を教えよう。お前と狩に行きたい、賭けをしよう、命がけで挑まねばならぬ」と言います。リャンウムが止めますが、ジャンヒョンは「ギルチェに何かあれば、私は〇ぬ」と言います。
倉に閉じ込められていたギルチェは、「陛下があなたの無念を聞き入れ国に返せと仰った。但し、すぐに藩陽を発て。イ通訳官に決して会ってはならない。もし会えば、あの者は苦しみを味わうことになる」と告げられます。ジャンヒョンに会いたいと思いながらも、二度と会わないことがジャンヒョンの為だと思い、ギルチェは藩陽を発つことにします。
感想
今回も切なかったですが、ギルチェがジャンヒョンに対して少しずつ素直になっているのが嬉しかったです。ダジムを助けたことで、意地悪な侍女が今回は味方になってくれて朝鮮に帰れることに。このまま帰る事はないのだと思いますが(^-^;
恋人~あの日聞いた花の咲く音~ 21話のネタバレと感想でした。最後までお読みいただきありがとうございました☆