大王世宗(テワンセジョン)の23話、24話のネタバレと感想です。
23話「老臣ハ・リュンの覚悟」
忠寧大君の妻シム氏が楚宮粧(チョグンジャン)を別の場所に匿おうと外に連れ出したその時、内禁衛将(ネグミジャン)カン・サンインが武官を連れて忠寧大君の屋敷にやって来ます。
カン・サンインは、「楚宮粧を引き渡すよう王命が下った」とシム氏に言いますが、「役人も民も見ている前で強引に楚宮粧を連れて行けば、王が不正を隠蔽しようとしていると思われてしまう。王様の名誉のために引き渡すことはできない」とシム氏は答えます。
チョン・イルチは、チョン行首に「楚宮粧の居場所を知りながら伝えなかった」として呼び出されます。チョン行首はイルチの叔父でした。オク・ファンも、イルチの心が忠寧大君に傾いていると気づきながらも、もう一度だけチャンスを与えると言います。
忠寧大君は「楚宮粧の居場所を明らかにしたので、極秘に処刑するなど世論が許さない、審問を開き、世子様の疑惑を晴らし世子様をお守りしましょう」と王に訴えます。
世子と楚宮粧どちらの命も守るため、忠寧大君はやむを得ず「上王の側室とは告げずに、世子に近づいた」と楚宮粧に偽証を頼みます。「この件で世子が廃位されれば、楚宮粧は処刑される」とファン・ヒに説得され、世子もこの偽証を受け入れます。
楚宮粧は悪役を演じるため、審問の席にあえて派手な装いで現れます。
「罪人は上王殿での便射(ピョンサ、組毎に弓術を競うこと)で世子様に初めて会い、誘惑を計画した」
「その後も、自分が上王様の側室であることを隠し、上王様に隠れて世子様の目に留まるよう外出した」
「世子様はお前が上王様の側室であると知らなかった」
楚宮粧は全ての問いに「事実です」と答え、こう言います。「その通りです。そして私を気に入ってくださいました。そうですよね、世子様」
「罪人は上王様に関係を気づかれるのが恐ろしくなり、母親の病気を理由に上王様に暇を願い出た」
「しかし世子様はどうしても会ってくれない。だから世子様を恨み、誹謗も厭わなかった」
「その通りです」
「お聞きの通り、今回の件は全て悪賢い罪人が世子様をたぶらかしたのです」審問官を任されたパク・ウンが王に告げます。
王は世子に聞きます。「世子の意見も聞こう。全て事実か?罪人が上王の側室であると知らなかったのか?」世子は「何も知らなかった」と答えます。
楚宮粧は遠地付処(ウォンジブチョ。都から離れたところに送られる刑罰)に、世子は女官ではない女と密通した罪で、全ての政治活動を中止し謹慎するよう命じられます。
事実を知る(主に忠寧派の)役人は、世子を守るために楚宮粧に全ての罪を着せたことに激怒します。始めに誘惑したのは世子で、世子は全てを知っていながら楚宮粧に近づいたのです。
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領議政(ヨンウィジョン)ハ・リュンは慶尚道(キョンサンド)の莫大な領地に、着服した使用人4000人を働かせていました。これを掴んだ王は、領議政が罪を認め勇退することで、下級役人の怒りを鎮めようとします。領議政は「イ・バンウォンを王にしたのは私だ」「王権を差し上げた報酬として、この程度は当然だ」と開き直り「誰も信じてはなりません。さもなければ、権力の端くれを欲しがる私のような臣下がまた現れるかもしれません」と王に進言し、最後の挨拶をします。
領議政は、自らの罪を誇張し、「慶尚道だけでなく、忠清(チュンジョン)、全羅(チョルラ)の下三道(ハサムド)全域を自らの領土にし、数万の使用人を酷使していた。自らの不正を隠す目的で、政局を乱そうとし、世子に対する誹謗文を貼った」ということにし、上奏を送らせます。そうすれば、世子に対する醜聞が収まるだろうと考えたようです。
王は、また同じような不正が起こらないよう、議政府(ウィジョンブ)署事制を廃止し、六曹(ユクチョ)直啓制(六曹の判書が王に直接業務報告をする制度。議政府を有名無実化し、王権を強化した)に転換することにします。
世子派の一番の重臣が朝廷を去り、忠寧派のパク・ウンが最高権限を与えられた形になりました。世子派は落胆し、パク・ウンはご満悦です。しかし、チョ・マルセンが来て、「パク・ウン様は左議政に任命されました、昇進おめでとうございます」と言います。怪しげな商団まで動かし世子を失脚させようとしたとして、王はパク・ウンの権力を奪いました。王は長子に王位を継がせることを願っています。
※左議政は今回権力を奪われた議政府に属するため閑職になります。
領議政ハ・リュンはこれまでの日々を懐かしみ、長い間志を共にしてきたハ・リュンとの別れに王も涙を流します。
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ある日、忠寧大君の前に、自分を買ってほしいという少女が現れます。少女は病気の母親の薬代のために身売りをしようとしていました。
24話「忠寧大君暗殺計画」
忠寧大君は、イソンという少女をセギ婆に預けます。金は欲しいが施しを受けるのは嫌だと言うので、宮女として働き、俸給から金を返せと忠寧大君は提案します。
ユン・フェは「世子を守ったのではなく、兄を守っただけだ。世子は王の器ではない。己の感情と行動すら操れぬ者に国は収められない。王子様は、愚かなことをした、この国がより賢い王を選べる機会を奪ってしまった」「私は王子様と共に朝鮮をより良い国にするために働きたい」と言い、忠寧大君を怒らせてしまいます。
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六曹(ユクチョ)直啓制(六曹の判書が王に直接業務報告をする制度、議政府が有名無実化し王権が強化される)に伴い、人事異動があります。
吏判 シム・オン
礼判 ファン・ヒ留任
兵判 イ・スクボン留任
パク・ウンは左議政になり、気を落とします。後任のシム・オンに「自分自身に警戒しろ」と一言残して、新しい部署へと移動していきます。
ミン・ムヒュルは、右軍同知総制から知敦寧府事(チトンニョンプサ、王族を優遇するための官庁。正2品だが、実際は閑職)になります。
右軍同知総制の後任はキム・ハルロですが、キムは礼曹出身で軍に関しては疎く、お飾りの人事であることは明らかです。王は世子派重臣の力を抑えようとしています。「審問では世子を守ったのではなく、王室を守っただけだ」とミン・ムヒュルは言います。
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王は、謹慎中の世子を除く王子たちを、講武(カンム)に参加させ業務の手伝いもさせよと命じます。
忠寧大君は頑なに講武には参加しないと言います。
忠寧大君の側近は、世子よりも注目されるのを避けるために参加を拒んでいるのだと思いましたが、師匠のイ・スは、忠寧大君が軍事には疎く、兄には敵わないと思われたくないために参加を拒んでいると見抜きます。
「世子のためを思っているのではなく、世子に負けるのが怖いのでしょう。信頼する臣下たちに王材だと言われるのは嫌な気持ちはしない、むしろ喜んでいる。彼らの期待に応えるなら世子に勝つ必要がある。だが講武ではだめだ。軍務では決して世子に勝てない。
欲を持つのは悪いことではない。こんなふうに逃げたら兄上にとっても良くありません。王子様は王材として注目を浴びています。二人の気持ちがどうであれ、世間には世子の座を争っていると映る。ですからより強く成長すべく努力しなさい。優秀な王子に勝ってこそ世間は世子が真の王材だと認めます」
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敬寧君はイ・スクボンを使い、傷心の世子の機嫌を取ろうとします。イ・スクボンはク・ジョンスという男を世子に紹介します。風流を理解し、弓の達人であるというク・ジョンスは、世子の話相手にぴったりです。
ク・ジョンスは世子をチョクソッキ(二つの軍に分かれて、投石で勝負する遊び)の観戦に誘い、世子は、そこでオリというクァク・ソン(前中枢府事)の側室に出逢います。
オリと世子を引き合わせたのはオク・ファンの策略でした。さらに、オリは世子を誹謗する貼り紙の件に関わっていました。
イ・スの助言を受けた忠寧大君は、孝寧君に、弓、兵法、陣法を教えてほしいと願い出ます。孝寧君も日の当たらない庶子の王子として、自分と同じように辛い想いをしていると忠寧大君は見抜いていました。そんな孝寧君の寂しさに寄り添ったのです。
ハン・ヨンノは高麗復興勢力に〇されます。
チョン行首は、ヨンシルを仲間に誘いますが、顔を見られてしまい、ヨンシルに口止め料として千両要求されます。
講武に出発する忠寧大君を妻のシム氏は止めます。侍女は「子どもが生まれそうだから」と言いますが、シム氏は忠寧大君を心配している様子です。
早く帰ると約束したのに、忠寧大君は子どもに渡すおもちゃ作りに夢中でなかなか帰りません。
チョン・イルチは、チョン行首に忠寧大君の帰宅時間と帰宅経路を教えます。
子どもが生まれそうだと知り、急ぎ帰宅する忠寧大君。オク・ファンの刺客のムビが忠寧大君の胸に弓矢を命中させます。
感想
世子は何の反省もなく、早くもオリに目をつけています(^-^;
忠寧大君の葛藤を見抜いたイ・スはさすがです。「兄を想ってではなく、兄に劣っていると失望されたくない」そういう醜い感情は誰でも隠したいもの。全うな理由をつけて避けてしまいますよね。「優秀な弟に勝ってこそ、世間は世子を王材と認めるだろう」そう言っておきながら、忠寧大君を王材へと育てようとしているのだと思います。
大王世宗 23話、24話のネタバレと感想でした。最後までお読みいただきありがとうございました☆
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